油彩にはいつも、キャンバス上に連なり重なる色と、筆跡の動きに魅力を感じている。 色彩の連なりという意識の上で制作している為、描きあげて遠くからそれを見る度、ただの風景と思うが、その風景がかつて日常生活の中で気になり、心の琴線にふれた風景である事に、過去と現在がつながった事に、日々生活する喜びと愛おしさを実感する。
月をめぐって、世界の人々は様々な想像を膨らませてきました。 あの球体のなかに、兎、蜘蛛や人、蟹や蛙が棲んでいるというのです。 今日も太陽が月と入れかわると、不可思議なかたちが姿をあらわします。 物体は垂直に立ち上がり、分裂し、地平に広がっていきます。 そこにはもうひとつの宇宙が存在し、わたしたちは生存権を獲得しているのです。