音楽室の肖像画、ヘンデル、バッハ、ベートベン、、、。
音楽を聴けば、その輪郭線は一気に揺らいだ。
音は私という境界線を超えて移動し、
全員が、調和し、繋がっている。
アトリエへ行くと、昨日の私の描きと再会する。
時に落胆、時に喜び舞い上がる。
鏡がなくても、私が私を確認できる、描き手にはそんな時間がある。
描くことが昨日と今日、明日を、結んでいく。
深夜に自宅へ帰る途中、いつも月を見る。
同じ円のかたちなのに、毎日違って見える。
見ている私の眼球も円、立っている地球の円、反対側の太陽まで円、、、。
月から私、太陽まで相似形が続く。
「絵」という漢字には、五色の糸で美しい織物を縫うという由来がある。
「Painting」よりも、「タブロー」よりも、
糸偏の、「絵」という字が、気に入っている。 |