小さい頃テレビで見た変身ヒーローに憧れ、そのヒーローが使うピストルや変身ベルトのおもちゃを買ってもらって、ヒーローになりきって遊んだ記憶があります。
このように、人は誰でも自分ではない誰かになりたいという欲望があると思います。
大人になってもそれは変わらず、あるプロ野球選手が使っているものと同じグラブが欲しいとか、映画で有名女優が持っていた靴やバッグが欲しいなどの欲求も、根底にはそれを手にすることでプロ野球選手や映画女優のようになれるんじゃないかという変身願望が働いているのではないかと思います。
私にとってのヒーローは今まで出会ったすばらしい人たちであり、バイクレースで命をかけて走るプロライダーたちでした。
これらの要素をひとつにまとめる行為が私の制作です。
作品タイトル「父と僕の91年鈴鹿(部分)」
photo: Tomas Svab
Courtesy ARTCOURT Gallery
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